あなたやご家族は大丈夫? もしも遺言書がなかったら・・・

「遺書を書くなんて縁起でもない!」そう思われる方もいるかもしれませんね。「遺書(いしょ)」は、死期が迫った方が家族に残す手紙といった、重いイメージを持つ方も多いでしょう。

でも、ここでおすすめしたいのは、「遺言(ゆいごん・いごん)書」の作成です。これは、ご自身の財産を「誰に、どのように残したいか」という意思を、法的に有効な形で明確にするための文書。もし遺言書がなかったら、どんな問題が起こりうるのでしょうか?ご自身やご家族に当てはまらないか、ぜひご確認ください。

【もしも遺言書がなかったら?】

お子さんのいないご夫婦の場合
残された配偶者は、故人の両親(祖父母)や兄弟姉妹(甥姪)と遺産分割協議をしなければなりません。

相続人がいない、または疎遠な「おひとりさま」の場合
家庭裁判所に「相続財産清算人」を選任してもらいます。相続人が見つからない、または全員が相続放棄をした場合、財産は最終的に国庫に入ってしまう可能性があります。

認知症や行方不明の相続人がいる場合
「成年後見人選任」「失踪宣告」「不在者財産管理人の選任」など、手続きが複雑になります。

複雑な家族関係にある場合
前妻の子と後妻など、関係性の良くない者同士で協議したり、事実婚のパートナーには財産を渡せなかったりします。

財産の多くが不動産の場合
均等に分けるのが難しく、相続人同士で争いになる可能性が高まります。

将来を案じる相続人がいる場合
精神疾患や障害を持つ相続人がいる場合、相続手続きが大きな負担となる上、生活に困窮する可能性も考えられます。

お世話になった方や介護をしてくれた方に財産を渡したい場合
遺言書がなければ、相続人ではない方には法的に財産を受け取る権利がないため、渡すことができません。

日本に財産を持つ外国籍の方、または日本に帰化された方の場合
相続人確定のための証明書取得や翻訳に、多大な労力、時間、コストがかかる可能性があります。

特定の相続人に財産を渡したくない場合
関係が悪い相続人がいても、その方には財産を受け取る権利があるため、トラブルになる可能性があります。

事業を特定の相続人に継がせたい場合
他の相続人が納得せず、揉める原因となりやすいです。

これらのケースに当てはまる方はもちろん、そうでない方も、ご自身の意思を明確にし、残されるご家族が安心して手続きを進められるように、ぜひこの機会に遺言書の作成を検討してみてはいかがでしょうか。