【養子縁組の落とし穴❷】離婚した相手方の連れ子が、今も養子のまま?

「この度、夫が亡くなり、相続人は私と娘の2人。そう思っていたら、何と、夫が前妻の連れ子2人と養子縁組をしたままということが分かりました。夫からは『子供連れの女性と1年ほど結婚していたことがある』『自分自身には子どもはいない』と聞かされていました。確かに、夫の子供は娘以外にいないようですが、その子供たちにも相続権があるんですね・・・」

こちらも実際の相談事例です。夫婦が離婚をしたからといって、連れ子との養子縁組が自動的に解消されるわけではありません。

「普通養子縁組の解消」をするためには、養親と養子の合意に基づいて市区町村に「協議離縁」の届出をしなければなりません。ただし、協議で離縁が成立しない場合は、離縁を求める者が、家庭裁判所に「離縁調停」を申立て、それでも成立しない場合は「審判」によって離縁が認められるケースもあります。

結婚をするときに相手方の戸籍謄本、ましてや過去の除籍謄本や改製原戸籍を確認する方はほとんどいないでしょう。最新の戸籍謄本には記載されていない事実が出てくることもあります。

一昔前なら、配偶者の戸籍を確認するためには、本籍地から戸籍謄本や除籍謄本を取り寄せる必要がありました。しかし、2024年3月1日からは、「広域交付制度」といって、自宅や職場の最寄りの市区町村役場の窓口で、遠方にある本人、配偶者、父母や祖父母などの「直系尊属」、子や孫などの「直系卑属」の戸籍謄本や除籍謄本を取り寄せることが可能になりました。

配偶者の過去を知るというのは個人情報を覗き見するようで心のハードルが高いかもしれませんが、手続き的なハードルは非常に低くなっています。