ペット残して逝けない

13年施行の改正動物愛護管理法で、飼い主はペットが命を終えるまで責任を持って飼うことが義務付けられた。高齢者にとって、犬や猫などのペットは癒しを与えてくれる家族のような存在で、60~70代になって飼い始める人が多い。

しかしながら、犬や猫の平均寿命を考えると自分の死後も生きる可能性が高く、自分が先立った後、ペットが行き場を失うのでは?と不安を抱える人が少なくない。そんな中で、最期まで、ペットの面倒を見るサービスが広がっている。

1つめは、入居者がペットとともに生活できる老人ホームの存在、入居者が亡くなっても、「ホームのペット」として、費用を負担し、世話を続け、ペットが亡くなった後は、火葬して墓に埋葬までしてくれるなどのサービスが受けられるところもある。

2つめは、飼い主が家族や友人など信頼できる人と信託契約を結ぶ「ペット信託」。これは、飼育費などを信託財産として専用口座に入れておき、飼い主が死亡したり施設に入ったりした場合、決めていた新たな飼い主などにペットを引渡し、飼育費を支払うよう委託するというものだ。

(2016年3月14日 日経新聞より)

飼い主が死亡した後の「次の飼い主」の問題も重要です。犬などの飼い主にはさまざまな責任と義務があり、法律や条例上の法的な責務もあります。

生前親しくしたペット仲間や、安心して任せられる親族などとの間で将来引き取ってもらうことを約束し、その内容を盛り込んだ付随的な委託契約を同時に結んでおけば、ある程度は不安を取り除くことができるでしょう。