子供いない相続、遺言が要。託す人決め、事前に相談

子供がいない夫婦の割合が過去20年で2倍になっている。夫婦2人暮らしはいずれ一人になる。

国立社会保障・人口問題研究所によると、65歳以上の世帯のうち、2010年に31%を占めていた一人暮らしは35年に38%に上がると予測している。そういった中で、子供がいない夫婦の場合も一人暮らしの場合も、遺言を書いて、財産を継いでもらいたい人に確実に財産を渡すことが大切になってくる。

子供がいない夫婦で、夫が亡くなれば、法律上はまず、妻と夫の両親が相続する権利を持ち、両親がいなければ、妻と夫の兄弟姉妹で分け、さらに兄弟姉妹も亡くなっていれば、権利は甥と姪に受け継がれる。日頃疎遠だと、相続の権利をためらいなく主張する傾向があり、もめる可能性が高くなってくる。

「全財産を妻に残す」と書いても、兄弟姉妹に遺留分はないので問題はない。遺言をつくる際は、遺言執行者を必ず決めておいて、指名する方に事前に相談しておいてほしい。
(2013年2月6日 日経新聞より)

特に一人暮らしの人は、遺言をつくる際に、自分の死後のことをも考えて準備をしておくことが大切です。

万一、相続が発生した場合に、ご遺族が困ることとして、「死亡時に連絡してほしい人」、「取引先の銀行や証券会社、保険会社など」「車やバイクを置いてある駐車場、鍵の保管場所」「パソコンやインターネットサイトのIDとパスワード」「ペットの名前、年齢、かかりつけ医、任せる人など」などがあります。

今は、そういった必要最低限のことやご家族、友人への感謝のメッセージが書き込めるノート形式の「エンディングノート」があるので、ぜひ、書いておいてほしいと思います。