遺言で「争族」回避 自宅分割に注意

「自宅を継ぐ時がもめやすい。争いを避けるために専門家に相談して、遺言書を書いた方が良い」と語るのは三菱UFJ信託銀行の灰谷氏。

家庭裁判所への相談件数は10年前に比べて倍増しており、家庭裁判所を訪れる前にもめている家族はもっと多いと予想される。財産が少ない人こそ、遺族の間で分けづらく、一般的に財産の半分を占める不動産を分割する際にトラブルになりやすい。特に自宅は分け方が難しい。

争いが起きて面倒なことは、遺言がないと遺産分割協議を開き全員の合意が必要で、合意まで相続財産を使えない。相続税の申告・納税期限である相続発生後10ヶ月以内に協議がまとまらなければ、相続人が相続税を自分の預貯金から納めなければならない。こういったところでも争いが起こりやすい。

円満な相続を実現させるために考えることは、遺言を書くことだと言えるでしょう。縁起が悪いと言って書かない人も多いが、生前に書くのが遺言である。家族のために生命保険に入るのと同じで、万一の時のために必要なものである。
(平成25年2月20日 日経新聞より)

特に不動産を含む相続において、完全に平等な財産分割は難しく、うまく分けたつもりでも不満を持つ人が出てくることがあります。そういったことを避けるために、遺言書を書くことが必要です。

遺言には誰に何を相続させるかだけでなく、家族に対する感謝の気持ちも添えるとより良いと思います。家族への感謝や分割に対する気持ちが伝われば、もし遺産分割に不満がある人でも、不満が収まることもあります。

もし遺言を書きたがらない人がいたら、相談所や金融機関等の無料相談に行こうと誘い、相続の話を切り出してみると良いでしょう。