隠しきれない!故人の「金」

金の買い取り価格は、2024年5月現在、13,000円を超える高騰が続いています。さて、この「金」。たとえ、非課税の特例がある祭祀財産の仏像や仏具に姿を変えていても、使用の実態がなければ「金は金」です。故人が所有していた「金・純金・地金」は、相続税の課税対象となるので、相続財産の総額が基礎控除額〔3000万円+(600万円×法定相続人の数)〕を超える場合は、相続税の申告をしましょう。隠そうとしても税務署はしっかり把握しています。

金地金(金の延べ棒・ゴールドバー)の場合、盗難防止や品質保証を目的として、シリアルナンバーが刻印されています。購入者情報と紐づけてデータが保管されているため、税務署が照会をかけるとすぐに金の所有者が判明する仕組みになっています。

もしも、相続の発生時に隠していて税務署が気付かなかったとしても、後に相続人が売却する際には、本人確認書類の提出が求められるため、隠し通すことができません。

また、相続後に金を売却すると、得た利益に対して「譲渡所得」として「所得税」が発生するケースがあるので注意が必要です。相続の場合、「故人(被相続人)が購入してから、相続人が売却するまでの期間」が5年を超えるか超えないかで計算方法が異なります。下記で計算した金額と、他の所得とを合算して所得税の計算をします。被相続人が購入して5年以上経ってから売却する方が税金面ではお得になりますね。

<所有期間が5年以内の場合>
  課税所得=売った金額-買った金額-特別控除50万円

<所有期間が5年を超える場合>
  課税所得=(売った金額-買った金額-特別控除50万円)×1/2