【配偶者の優遇措置⑤】無条件に適用される小規模宅地等の特例

亡くなった人(被相続人)が所有していた自宅や事業用の宅地等は、残された家族にとって生活の基盤となる大切な財産です。しかし、相続税を算出する際の土地の評価額は路線価を基準に算出するため、地域によっては相続税が高額になり、自宅や事業用の不動産を売却しなければ相続税を支払えなくなることもあります。

そこで、一定の要件を満たす宅地等については最大80%評価額を下げて相続税の負担を軽減することで、家族がその家に住み続けられるようにと創設されたのが「小規模宅地等の特例」です。

被相続人が自宅として使っていた土地は330㎡までが80%、個人事業に使っていた土地は400㎡までが80%、貸付用としていた土地は200㎡までが50%減額され、これらを超える部分に対しては、通常通りの計算となります。

さて、この特例を利用できる人・・・ですが、配偶者は無条件に利用できます。例えば、被相続人が亡くなった時点で、別居状態、あるいは施設に入っていたとしても利用できます。

ところが、配偶者以外の場合は、以下のような条件を満たさなければなりません。
①同居親族・・・亡くなる1週間前からでも同居の実態があれば適用されますが、相続税の申告期限(相続開始後10ヶ月)まで所有し、その建物に住み続けていることが要件。
②別居親族(通称:家なき子)・・・故人に配偶者や同居している親族がいなかったことが条件。また、故人が亡くなる前の3年以上、借家暮らしをしていたこと、申告期限までその宅地等を所有していることなど、細かい条件を満たす場合に限ります。

この特例からも、残された配偶者の生活が守られていることが伺えますね。さて、「小規模宅地等の特例」は、相続税がかかりそうな場合に、相続税の申告をして初めて適用となりますのでご注意ください。