「遺贈寄付」遺産で社会貢献広がる – 「終活ブーム」などが背景

遺言により、遺産を法定相続人以外の公益性の高い団体や個人に寄付する「遺贈寄付」の取り組みが全国で広がっている。

生前に自身の人生の終え方を決める「終活ブーム」の影響や、生涯未婚率の増加という社会情勢の変化が背景とみられる。

公益団体の資金調達をサポートするNPO法人「日本ファンドレイジング協会」などが、2015年11月、遺贈寄付を推進する全国組織「全国レガシーギフト協会」を発足。

公式サイト「いぞう寄付の窓口」を開設し、全国14の相談窓口を設置した。

遺贈先の選定が課題となる中、弁護士ら実務家を交えた相談体制の拡充が急務で、遺贈を通じて寄付者と受益者、そして地域社会が豊かになるという実例を残していくことが大事との考え。

(平成29年2月10日 神戸新聞より抜粋)

一人っ子の人が結婚しないまま亡くなると、遺産は全て国庫に帰属してしまいます。

兄弟がいても、みんなが結婚しなかったり子供がいなかったりすると、その家が途絶えると同時に、遺産も全て没収です。

そんな方のために、遺産を社会貢献のために使ってほしいという方の相談が増えてきています。

そんなに数は多くないですが、昨年も3件ほどありました。

また、遺産の一部を、公共機関に寄附したいと考えられる方も多いです。

記事に書かれていましたが、40歳以上の2割が遺産の一部を寄付したいと考えているというのは、かなり大げさすぎると思いますが、一定割合で寄附を考えている方もおられ、今後増えていくことは予想が出来ます。

数年前にタイガーマスクがランドセルを寄付とか、全国の市役所のトイレに10万円入りの封筒が置かれていることが、ニュースになりました。

個人的な考えですが、あれは全て遺産を使った寄附だと思います。

亡くなった人が遺言で相続人に、「匿名で〇〇をしなさい」と書いていたのではないかと。

寄付先を選びにくいというのも、現実問題としてあります。

ちゃんと使ってくれるかどうかわからないところや、事務経費に寄付金がほとんどとられてしまう団体には、寄付してもあまり意味がありません。

寄附の使い道を考えると、(1)将来の日本を背負って立つ子供の支援 (2)病気の治療研究に使ってほしいです。交通遺児、震災遺児、児童養護施設などに手厚いサポートができる環境を作っていきたいものです。

(米田貴虎)