
2007年に表面化した「持ち主不明年金」の問題は、18年経った2025年4月時点でも1,689万件が未解明のまま残っています。これは、1997年の基礎年金番号導入以前の複数の記録が統合しきれなかったことが主な原因です。特に転職が多い方や、結婚などで姓が変わった女性は記録漏れが多いと考えられます。
ご自身の記録を確認する第一歩としては、日本年金機構から届く「ねんきん定期便」です。特に35歳、45歳、59歳の節目に届くものに全加入記録が記載されていますので、そこで確認するとよいでしょう。
機構が運営するインターネットサービス「ねんきんネット」には、「持ち主不明記録検索」システムがあり、氏名と生年月日を入力するだけで、不明記録と一致するかどうかを調べられます。
ご自身の確認はもちろん、ご家族や故人の記録も確認が可能です。
例えば、亡くなったご家族の旧姓などで検索すると、一致する記録が見つかる可能性もあります。結婚や改名で姓が変わった方は、過去の氏名でも必ずチェックしましょう。
遺族が故人の記録を検索する場合は、死亡記録が未反映の可能性を考慮し、存命の条件設定でも検索することをお薦めします。
また、以前に普及していた「厚生年金基金」(現在は新設不可)も未請求の年金が多くあります。「企業年金連合会」によれば、2024年3月末時点で請求していない人は約114万人に上ります。1ヶ月の加入でも受給権が発生する場合があります。インターネットで、「ねんきんネット」⇒「通知書を確認する」⇒「電子版 被保険者記録照会回答票」で基金の加入期間を確認できたら、「企業年金連合会」に問い合わせてみましょう。
本来受け取れるはずの公的年金を受け取っていない方が、まだまだ多くいます。相続時には、「遺族が故人の未支給年金を受け取った上で、遺族年金に反映させる」といった手続きが可能な場合もあります。心当たりのある方は、「ねんきんネット」でご自身・ご家族・故人の記録を検索し、記録漏れがないか確認しましょう。









