今後、深刻になる?「デジタル遺品」

デジタル遺品とは、故人が所有していたパソコン・タブレット・スマートフォン・ガラケー・USBメモリー・SDカード・外付けHDD・CD・DVD・ブルーレイ・フロッピーディスク等の中の「デジタル情報」のことをいいます。ネットバンクの口座や株・FX(外国為替証拠金取引)の運用情報、暗号資産(仮想通貨)、SNSのアカウントなども含まれます。

故人がデジタル機器の中に情報を残したまま亡くなると、機器のセキュリティロックや破損が原因で、
 ①どこのネットバンクやネット証券、〇〇PAYを利用していたかわからないから、相続財産を把握できないし、手続きもできない
 ②相続税の申告漏れになるかもしれない
 ③多額の負債を抱えているかもしれない
 ④放置すると損益が膨らむかもしれない
 ⑤SNS・オンラインゲームのアカウントなどが、第三者に乗っ取られて悪用されるかもしれない
 ⑥オークションやネットショップの運営で、取引の未完了があるかもしれない
 ⑦中にある本人の写真や家族の写真を見ることができない
 ⑧死因など、事件に関係する証拠が残されているかもしれない
といったといった不安や問題が起こる可能性があります。

特にスマホの場合、現時点で、ドコモ・au・ソフトバンクなどの携帯電話3社は、遺族の依頼であってもIDやパスワードの解除はできないと回答していますし、専門業者でも難しいといわれています。

これらの問題は、デジタル遺品の存在とそのアクセス方法を家族に共有する、あるいはエンディングノート等にログイン方法やパスワードを書き留めておくことで大多数は解消することができます。しかし、パソコンやスマホをフルに活用している若い世代ほど、ご自身に万が一のことがあった場合を想定していないため、いざという時に、残された方々が相続手続きに苦戦することが予想されます。