海外口座情報55万件入手 – 国税庁、富裕層の資産把握

国税庁は10月31日、約100ヵ国・地域(タックスヘイブン含む)が自国内の金融機関にある外国居住者の口座情報を交換する新制度CRS(Common Reporting Standard=共通報告基準)により、同日時点で日本居住者が海外に持つ口座情報約55万件を入手したと発表した。

2017年に初の情報交換が行われ、日本は今回18年の交換から参加した。

富裕層の海外資産の把握に苦心してきた国税庁にとってはまさに「宝の山」。国境をまたぐ脱税や租税回避を防ぐため、入手した情報を活用して税務調査を進める方針だ。

(平成30年11月1日 日本経済新聞より抜粋)

ついに、資産を海外で隠すことが不可能になりましたね。

一時、海外の銀行で口座を開設して、そこにある程度の資金を移動させる手法や、それを目的としたツアーが流行っていました。

でも、それも終わりですね。

海外に5,000万円以上の資産を持つ人に義務付けられている、「国外財産調書」も、2016年では、たったの9,102件。

実態はもっとあるにも関わらずに…です。

でも、今回55万件という口座が把握されました。55倍です(笑)

これから税務署の一部の部署では、この55万件の口座所有者に、どんな税金をかけようかと大忙しだと思います。

相続の現場では、海外預金の手続きは、日本の法律が使えないことがあり非常に複雑になることもあるので、この際海外に移した現金を、日本に戻すタイミングかもしれませんね。

(米田貴虎)