【相続事例集】借地の相続は身内だけで決められずに大変

被相続人である福地さま(仮称)の相続人は、60代の4人でした。相続不動産は、駐車場と以前被相続人の家業に用いられていた店舗、居宅用建物、これらの敷地(借地で月々10万円の地代)でした。

相続人は女性ばかりで、ほとんどが地方にお住まいの方でした。福地様は家業をやめておられていました。このような状況であるため、相続人の中に、借地を取得したい方はおられませんでした。そこで、相続人の方々は、借地を現金化して分割しようとお考えになり、地主に借地の権利を買い取っていただくように申出されました。

しかし地主との交渉がうまくいかず、遺産分割を進められず、相続人らは、当センターに相談されました。このままでは地代の支払いで苦しくなるばかりなので、地代減額請求を地主にしてはどうかとアドバイスをしました。

解決の案として、次の4つがありました。

1案 地主の提案した、安い借地権の買取金額に応じる。

2案 借地上の建物をリフォームして住み、駐車場管理をしっかりして地代分の収益が得られるにようする。

3案 賃料減額請求を併用しつつ、地主とじっくり交渉する。

4案 ほかの買い手をさがす。

地主との交渉は、なかなかうまくいかないケースが多いです。2案と3案を併用して、地代を確保しつつ、賃料を減額して、借地権の買取金額を地主とじっくり交渉していくことが大切です。