【相続事例集】相続人が自分以外にもう1人

お父様の相続で相談に来られたAさんご夫婦。Aさんが2歳の頃に両親が離婚しており父子家庭で育ち、相続人はAさんお1人。

以前、叔母(父の姉)から両親が結婚する際、母にAさんより7歳上の連れ子がいたことは聞いていたのですが、今回は父の相続なので関係ないと思っておられました。

戸籍を確認したところ、その連れ子は婚姻前に父が認知しているBさんだったことが分かりました。認知しているので、当然Bさんも相続人になります。

調査の結果、現在Bさんは県外で暮らしていることが分かりました。Aさんから手紙を送り父の相続のことを連絡しました。数日後、Bさんから連絡がありました。

Aさん側とすれば病気がちな父の面倒をずっと1人で看てきたのだからBさんには財産の4分の1くらいでいいだろうという考えでした。

一方、Bさん側は疎遠になっていたとはいえ、自分にも相続分があるのだから法定相続分は欲しいという主張で、協議がなかなかまとまらず、かなりもめたようですが双方が歩み寄る結果で終結しました。

父が生前、「すべての財産をAさんに相続させるという遺言書を作成していたら、もめることなく手続きが出来たのに」とAさんは何度もおっしゃっていました。

残される遺族のためにも、遺言書作成をお勧めします。