【相続事例集】相続人は私だけのはずが・・・

田中佳代子さん(仮名)が相談に来られました。

父が亡くなり、家の立替を検討している為、土地の名義変更をしたいとのことでした。事前調査を行うと、土地の名義は佳代子さんのお父様の隆さん(仮名)ではなく、お祖父様の一郎さん(仮名)のままでした。

相続人について、佳代子さんは「父の隆は一人っ子でした。私も一人っ子ですので、祖父の名義でも、相続人は私だけです。」と言っていました。

ところが、戸籍を確認すると驚くべき事実が発生しました。お父様の隆さんは、一郎さんとA子さんとの婚姻外の子供だったのです。一郎さんは、隆さんを認知しました。

その後、隆さんを連れ、花子さん(仮名)と結婚をしました。一郎さんが亡くなった後、花子さんも亡くなりました。

相続人は隆さんの子である佳代子さんの他、花子さんと隆さんは養子縁組をしていないため、花子さんの相続人に花子さんの兄弟姉妹が加わり、26人となりました。

思わぬ人が相続人となる場合もありますので、誰が相続人になるかを十分に確認し注意することが必要です。結婚の際に自分の戸籍を確認することと、後妻さんとの間に養子縁組をすることは重要です。

事実を知っていれば、遺言書の作成など、事前の準備をすることもできたはずです。