【相続事例集】奥さまは台湾人

Bさんは、過去3回の結婚・離婚を繰り返した後、最後に台湾国籍の女性と結婚し、亡くなりました。過去3回の結婚相手との間に、それぞれ子どもが2人ずついて、相続人は全部で7人。

奥さんは依頼者と同居しており、「いずれ故郷へ帰るので財産はいらない」と流ちょうな日本語で語ってくれた上、相続人のうち別の2人は相続放棄の手続き済み。残る2人も既に連絡が取れ、「財産は要らないし手続きにも協力する」とのお話で、依頼者兄弟がすべて相続するという内容であっさりと遺産分割協議がまとまりました。

ところが、ここで一つ問題が発覚。

Bさんの戸籍に載っている婚姻の記載によって、台湾国籍の奥さんが相続人である事実が確認できた訳ですが、台湾国籍の奥さんは、日本に住み住民登録していても、日本の戸籍は持っていないので当然ながら戸籍は台湾にあります。

相続人が外国人である場合、便宜的に、住所地の市区役所等で取れる「外国人登録原票記載事項証明書」を代わりとして、手続できることがあります。しかし受取った書類の姓と生年月日は同じでも、2つの書類に載っている名とBさんの戸籍に記載してある名がまったく違うのです。

結局は、台湾の戸籍証明を取って郵送してもらい手続をしました。

国際結婚の場合、それぞれの国の相続法や戸籍などの違いから手続が難しくなることがありますので、注意が必要です。