【相続事例集】年老いた母の当座の生活を守れ!

伊藤さん(仮定)が亡くなりました。伊藤さんには妻と長男、二男がいました。二男と伊藤さんの折り合いは悪く、お二人はもう20年以上会っていません。

妻と長男は、次男の行方を知らず、次男に伊藤さんの葬儀の連絡すらできませんでした。結局、次男は、葬儀に参列しませんでした。

伊藤家では、すべての財産を伊藤さんが管理しており、妻はお小遣いしかもっていません。

妻は、取り急ぎ銀行へ伊藤さんの相続財産をおろしに行きますが、銀行から、「相続人全員の署名と実印、印鑑証明書をいただかないとお金をお出せません」と言われました。

妻は、「相続人全員のと言われても、二男の行方も分からないのに…」と途方に暮れてご相談にいらっしゃいました。

まず、当センターは、伊藤さんの残してくれた生命保険の請求をお手伝いしながら、二男さん探しをしていきました。

二男さんの行方をほどなくして見つけましたが、長年の伊藤さんとの確執からか、「相続もしない、放棄もしない、協力したくない」の一点張り。

これでは銀行からお金をおろすことができません。葬儀代に、未払いの病院代と、臨時の出費がかさむ時期なのに、頼みの綱の遺族年金の入金まで、3か月ほどかかるのです。

何とかならないものかと、当センターが各銀行と相談した結果、長男と母の法定相続分である4分の3に相当する預金を引き出してもらえることとなり、何とか年老いた妻の生活の心配を取り除くことができました。

金銭的にも安心のできた伊藤さんの妻と長男は、何度も二男のもとに足を運び、ずっと二男の心配をしていた伊藤さんの思いや、これから家族としてもう一度やり直したいと話しをし続け、初盆には皆でお参りをすることができるようになりました。