Aさん(女性)70歳は、未婚で子供もおりません。昨年の春、長年勤めた仕事を退職し、現在は愛犬と暮らしています。
Aさんと同居していた父が、昨年の秋にお亡くなりになりました。
相続人はAさん、妹のBさん(66歳)、そして母(91歳)の3名ですが、母は認知症(特別代理人が必要)であり、現在は体調不良のため病院へ入院しています。
父は多くの不動産を持っており、不動産賃貸業も営んでおりました。
認知症の母もいるため、父は生前に自筆証書遺言を残していました。
しかし残念ながら内容不備のため無効でした。
AさんとBさんは、遺産分割をどのようにするか悩みました。
専門家に相談しながら、ようやく相続手続も間もなく終了となることでホッと一安心のAさん。
しかし、Aさん自身の相続について考えてみると、Aさんは不安になってきました。
自分が亡くなったら、相続人は母を除くと遠方に住んでいる妹だけ。
妹は不動産を相続しても管理できないし、困ると言っています。
万が一、Bさんの方がAさんよりも早く亡くなる可能性もあり得ます。
そうなると、見ず知らずの数多くの土地をBさんの子供が相続することになります。
Aさんは自分が亡くなった後、相続する人が遺産を受け取りやすいように、そして負の財産にならないように、自分が生きている間に来るべき相続に備えなければ、と強く心に思いました。
残された遺族がスムーズに相続手続を行うためには、事前に遺言書を作成するなど、手続きと対策を行っておくことをお勧めします。