遺族年金の男女差は合憲 – 賃金格差踏まえ、最高裁初判断

労災で配偶者を亡くした場合、夫を亡くした妻は年齢に関係なく遺族補償年金を受給できるのに対し、妻を亡くした夫は55歳以上でないと受給できないという規定をめぐり、憲法違反かどうかが争われた訴訟の上告審判決で、最高裁は、規定は合憲とする初判断を示した。

判決理由で、男女間の労働人口の違いや平均賃金の格差、雇用形態の違いを挙げ、「妻の置かれている社会的状況に鑑みれば、妻に年齢の受給要件を定めない規定は合理性を欠くものではない」と判断した。

(平成29年3月22日 日本経済新聞より抜粋)

妻が先に亡くなっても、夫が遺族年金を受け取ることができない。

家計を支えているのは、いまだに夫であるという裁判所の考えです。

これまでもこの考え方で、これからもこの判例がしばらくは影響するでしょう。

まだまだ賃金格差があり、男女平等にはなっていないということです。

男性よ、働け!ということですかね。

でも正直、同じ男性としては、すこしホッとした気持ちもあります。

体のつくりが元々違うのだから、男女公平はあると思いますが、男女平等はあり得ないという考えです。

同じ男同士でも格差があるのですから、男女で格差があるのは当たり前だと思います。

正当に公平に評価されるかどうかという点で、議論されるといいのですが、そうでない方向に走りすぎている感が否めません。

何でもかんでも、平等平等という言葉が相続のタイミングでも出てきます。

平等とは、仏教用語で、物事のあり方が真理の立場から見ればすべて同一であること。平等院(京都府宇治市)の由来になっていると言われています。

人間も虫も花も生き物は全て、真理の立場からしたら皆一緒です。亡くなれば全員天国に行くということは共通です。

自分の利益を優先したり、自分の主観で判断することは避け、正義に反しないという意味の公平。この言葉が平等に変わって広く使われて欲しいです。

(米田貴虎)