相続、介護の貢献はどこまで? – 相続分野の民法改正を検討中

日本で1年間に亡くなる人は約130万人。2015年の遺産分割の調停は全国で約1万3000件。この10年間で3000件近く増えた。

そんな中、配偶者や子供など法律で決まった法定相続人ではない家族も介護に貢献すれば相続財産を受け取れるのか。

1980年以来となる相続分野の大規模な民法改正を検討中の法制審議会(法相の諮問機関)相続部会でこんな議論が進んでいる。

現状では無償の介護を金銭に算定するのは難しいとして、介護が「特別な寄与」と認められるケースはまれだ。

しかし、法制審は昨年6月の中間試案で法定相続人以外が介護や事業を手伝った場合、相続人に金銭を請求できるようにする方向を示した。実現すれば、懸命に介護や看病をした家族と何もしなかった家族との不公平感が解消される可能性がある。

(平成29年3月1日 日本経済新聞より抜粋)

民法の相続の分野が変わろうとしています。

法律と現実のギャップは、本当に大きく感じます。

葬儀が法律上は必要ないという前提だったり、献身的なお世話をした長男の妻が全く遺産をもらえなかったり・・・。

私の将来の夢の1つとして、この「法制審議会に入る」ということがあります。

現場の実情を知る専門家として、法律の作成にかかわりたいという想いは、昔から持ち続けていました。

自分のお墓には「民法を変えた男、ここに眠る!」と書いてほしいとよく周りに言って笑われていました。

今回の改正は非常に楽しみです。

もう少し分かりやすく、介護で1日通えば1万円とかにしてもいいのではないかと思います。もちろん精算は亡くなった後ですが、足らなければ全額その介護をした人が相続して他の相続人は何ももらえないと。

介護という扶養の義務を全くせずに、相続分という権利だけを主張する最低な相続人も実際にはいます。

正直に申しまして、そんな方の相談には乗りたくないし依頼に来られた方を断ったことも一度や二度ではありません。

「親を大切にせず、自分の事だけを考えている人は、例えたくさん相続してもろくな死に方をしない」なんてことを講演などで話すこともありますが、“ビクッ”としている人もたまにおられます。

年内に民法の改正要綱がまとまるみたいですが、楽しみです。

少しでも良い相続法になってくれることを祈ります。

(米田貴虎)