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遺言に託された、誰もが願う想い

【相続ご相談事例】遺言に託された、誰もが願う想い

相談に来られたのは、二男Dさんです。

 

相談内容は、「40年前の遺産分割協議をやり直すことはできないか?」とのことでした。今から約40年前の昭和45年、Dさんのお父さん(Aさん:会社経営)が亡くなりました。

 

主な相続財産は、事業に使っている土地が500坪です。

 

遺産分割協議の結果、その土地は、兄弟それぞれが法定相続分(4人の子供(長女B、長男C、二男D、三男E)で1/4ずつ)で取得し、登記をしました。

 

相続した土地は、資材置き場として利用されることになりました。それから25年の月日が流れ、一家は平成7年に「阪神大震災」を迎えます。

 

復興の為に、市から「資材置き場を買取りたい」との申し出があり、4人はこれに応じることにしました。そこで、売却金額の6億5000万円は、登記割合に基づいて、姉弟で均等に約1億6250万円ずつ分配しました。その後二男Dさんが、震災で倒壊した実家を片付けていると、なんと25年前に亡くなったAさんの「自筆の遺言書」が出てきました。

 

中を見てみると、そこには25年前の分割協議とは異なる分配の内容が書かれていました。Aさんの考えは「息子達に多く財産を残したい。娘は息子達の半分の割合とする。」というものでした。

 

もし25年前に、この遺言の内容で分割していれば、売却金額の配分は大きく変わってきます。(長女Bさんは約8000万円の減額、他の兄弟は約2600万円ずつの増額となることになります。)

 

遺言書を発見した二男Dさんは、長女Bさんに対して、話し合いを求めてきましたが、それから17年間平行線のまま・・・

 

長女Bさんは「時効が成立しており、話し合いの余地はない」との主張をされている様子です。相談内容の「昔の遺産分割協議のやり直しはできないか?」とのご質問には、「相続人全員の合意があれば可能」とアドバイスをしました。

 

「裁判上の手続での解決は可能か?」とのご質問を、弁護士に確認すると「提訴の余地はあるが、現実に再登記や再分配はとなると難しいだろう」とのアドバイス。

 

しかし、その遺言書にはもう一つ、重要なことが書かれていました。

 

「決して、法的手段に訴えて解決することのないように。家族みんなで仲良く話し合いで決めるように。」 遺言書の中に、付言事項としてきちんと書かれていました。

 

「今から再分配を目指すとなると、どうやってもこの付言事項には反してしまいますね・・・」二男Dさんは、そうおっしゃって相談室を後にされました。

 

「家族仲良く」

 

いつの世にも通用する、そして、誰もが願う想いです。

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