家族の絆 結び直す

「法定相続分は絶対にもらう」と遺産は家・土地・わずかな預金しかなく、分けるには母親が住む家を売るしかないのに娘が母を責め立てる。

このように最近は収入の伸び悩みや老後の不安から、相続で入るお金に執着する人も増えている。争いは今や誰にでも起こると言える。遺産分割の調停申立件数は年々増加傾向にある。2011年度の新受件数は1万2千件。調停に至らないものの、持ち込まれる問い合わせは17万件を超す。

調停件数の6割は成立に至るが、自分の考えに固執する人がいる場合はまとまりにくい。調停は相続人全員の合意がなければまとまらないからだ。

しかし、調停は解決に向けた最後の場でもある。希薄になる親戚づきあいや個人の権利の高まりと仲の良い家族関係を築こうとすることのひずみに向き合い、家族の絆を結び直す必要がある。
(平成25年 日経新聞より)

相続で家族がもめることや争いが起こることの理由は何も決まっていなかったことが原因の一つであると考えられます。「まだ元気だから」と相続についての話をつい先延ばしにしてしまいがちです。そうするうちに、本人が認知になったり、話す機会がないまま月日が経ち、相続が発生してしまうのが現実です。

そうならないように、年齢に関係なく、遺言書の作成やエンディングノートの作成、家族で話し合ったりと事前に家族に意思を伝えておくことが大切です。